(掲載は参考作品です)

あいちアール・ブリュット サテライト展

〜国際芸術祭連携企画展〜

日時|2022.7 / 26 (火)〜8 / 5 (金)
   10:00~18:00(最終日は17:00まで)
休館|8 / 1 月曜日
会場|愛知芸術文化センター12階 アートスペース G・H

◆ 主 催:愛知県
◆ 共 催
特定非営利活動法人愛知アート・コレクティブ(愛知県障害者芸術文化活動支援センター)
◆ 協 力
認定特定非営利活動法人ポパイ、社会福祉法人あいち清光会障害者支援施設サンフレンド、
社会福祉法人名東福祉会天白ワークス、あいち芸術福祉株式会社
◆ 映像制作:丸山 達也

「アール・ブリュットの時代」

” The Age of Art Brut.”
 アール・ブリュットと云う言葉は「生(き)の芸術」という意味のフランス語。artは芸術、brutはワインなどが生(き) のままであるようすをいい、画家のジャン・デュビュッフェが1945年に考案した言葉です。 「正規の美術教育を受けてい ない人が自発的に生み出した、既存の芸術のモードに影響を受けていない絵画や造形のこと。」だが、元々、「正規の美術教 育」という概念も怪しい日本で、海外の言葉を輸入して権威づけるのはどうかと思いますが、日本の美術史は昔からそんな ものです。  障害者の芸術が話題になるのは、日本では山下清になる。戦前に1938年(昭和13年)八幡学園の美術教育に関心を持っ た戸川行男が、早稲田大学大隈講堂小講堂で『特異児童作品展』を開催。さらに1939年(昭和14年) 東京・銀座の青樹社 にて、『特異児童作品展』が開催された。これは小林秀雄や川端康成や安井曾太郎まで、当時、文化人と云われる人々に話 題を提供したが大衆的な広がりにはならず日本は戦争に突入する。山下は戦争反対で自らの死を恐れていた。それは自画 像として残っている。戦後1954年(昭和29年)朝日新聞が山下清の捜索記事を掲載して以降、山下ブームになる。年譜に 拠ると同年、瀧口修造の「(現代作家)ジャン・デュビュッフェ」が『美術手帖』10月号に掲載される。日本で初めて「ラー ル・ブリュ」(アール・ブリュット)という言葉が紹介された。デュビュッフェは「芸術がどんな習練をも必要としないとい うのではなくて、芸術には他からの教えや過去の芸術家たちの仕事の研究を必要としない。誰であろうと、知識や特殊な技 巧もなしに、芸術に従事してあらゆる機会を捉えることができると私は信じている。ただ自己にふさわしい表現の手段を発 見するのがむずかしいのだ。」と書いている。誰でも表現する自由、それが障害を越える大切なことではないでしょうか。  「アール・ブリュット」と云う言葉が障害者アートに落とし込められてきた流れから転換する必要があります。 愛される障害者は辞めるときです。もとより障害と云う言葉も社会的な「属性」です。アートは「表現」手段を用いて、この 「属性」を越えて行くのです。「福祉」は障害に寄り沿い共に生きる活動です。それにリンクすることで精神の自由をアート でさらに謳歌する活動へとステップを進めましょう。色々な属性に縛られている人々に社会の中で生きる場所作りとして アートは社会に無くてはならないものとなります。社会の中にあらゆる居場所作りとなる「アール・ブリュット」を推し進 めましょう!  また制作と云う概念を突き詰めて行くと、アートの「属性」に突き当たります。アートは現代美術のように純化すること だけでなく、描くことの中に多くのストーリー(物語としての属性)を取り込むということになります。アール・ブリュット はその「属性」の極みを表現していると思います。人間は自然の一部であり、神の「属性」をある一定の仕方で表現すること も出来るのです。たとえばモードと云う言葉は「仕方」「やり方」「様式」を意味します。  一人ひとりの自由が社会の安定につながる。一人ひとりの権利が蹂躙され、努力が踏みにじられる、そのような国家や 社会は長続きしません。一人ひとりうまく自らの努力に従って生きて行ければこそ、集団は長続きする。なぜならばその 時、人は自由であるからです。

                鈴木 敏春(美術批評/NPO法人愛知アート・コレクティブ)

山本 良比古
YAMAMOTO Yoshihiko
「名古屋城」
酒井 勉
SAKAI Tsutomu
「ポーカーフェイス」
高橋 真二
TAKAHASHI Shinji
「名古屋市地下鉄」
和田 成亮
WADA Shigetaka
「ひこうき」
茅野 大輔
KAYANO Daisuke
「カラフルタウン」
水上 卓哉
MIZUKAMI Takuya
「またここで会おう」
山本 未子
YAMAMOTO Sueko
「私と花園」
奈良 朋紀
NARA Tomonori
「僕のおもちゃ」

(掲載は参考作品です)

国際芸術祭「あいち2022」参加アーティスト

International Art Festival Artist
升山 和明 MASUYAMA Kazuaki

1967年岐阜県生まれ。愛知県拠点。
升山和明はカラフルなコラージュ作品で注目を集めているアーティスト。愛知県の犬山市にかつてあったデパート「清水屋」の外観が主なモチーフであり、作品の多くがこのデパートの外観とタクシー、そして自身の名前でしめられている。周囲のサポートのもと、モチーフを描く、切り抜く、貼る、さらに描くと言う複雑なプロセスを経て作られた作品は、多彩な色と質感にあふれており、デパートや車のイメージが自在に浮遊する中で遊ぶかの様である。愛知県で開催されている「あいちアールブリュット展」や「ふれあいアート展」などの公募展への出展を重ね、「第59回小牧市民美術展」にて市議会議長賞(2018年)を受賞。「アール・ブリュット -日本人と自然- ㏌ 東海・北陸ブロック」ミュゼ雪小町(2020年、新潟)に参加。

展示会場

愛知芸術文化センター 8F展示室
(愛知県名古屋市東区東桜1丁目13−2)

小寺 良和 KODERA Yoshikazu
1957年愛知県生まれ。 愛知県拠点。 小寺良和は40年近く、福祉施設で生活しながら作陶を続けている。戦争のニュース映像に強い衝撃を受けたことが発端になり、爆弾をかたどったシリーズを長年制作している。ただし、小寺の作る「バクダン」シリーズは多くの突起や穴を備え、あたかも木の根や海洋生物のような形をしている。恐ろしさ以上に不敵なユーモアを同時に感じさせる点が特徴である。1999年より特定非営利活動法人フロール会の主催する公募展「生(いのち)の芸術 フロール展」(1999年~2008年)に毎年出展。愛知県知的障害児者生活サポート協会による公募展「ふれあいアート展」(2008年~)の第8回と第9回にて名古屋市社会福祉協議会会長賞、第10回に大賞を受賞する。また、「あいちアール・ブリュット展優秀作品」(2014年~)への選出も重ねている。
展示会場

旧一宮市立中央看護専門学校 4F
(愛知県一宮市松降1-29-21)

(国際芸術祭「あいち2022」提供)
あいちの働き方改革のひとつ。アート雇用 ~絵を描くことを仕事に~
Art employment
 2016年に障がいのある方2名が、「あいちアール・ブリュット」展をきっかけに「描くこと」を仕事として企業に就職(在宅勤務)しました。 会社や店舗に作品を飾ったり、社員として作品展に出品し、会社をPR・広報するなどの活躍をしています。  「描くこと・作ること」を「仕事」に変えるアート雇用は、全国的に珍しい取り組みです。“働くこと”をテーマにした作品をご紹介します。
阪井 大輔
SAKAI Daisuke
「コスモの迷宮」
所属:株式会社 まつおか
小早川 桐子
KOHAYAKAWA Kiriko
「たんぽぽ」
所属:株式会社 東名
山本 真護
YAMAMOTO Shingo
「記憶のアート」
所属:株式会社 Crossvi
(掲載は参考作品です)
障害者芸術活動支援相談ブース

同会場にて障害者の芸術文化活動に関するご相談を受け付けています

文化芸術活動に取り組んでいる障害のある方や事業所等から、芸術活動への支援の方法、環境の整備、権利の保護、鑑賞支援、作品の販売・公演、記録、保存、地域などの障害者の芸術を通した交流に関する相談を受け付けています。 著作権から展示会の関係、作品の二次利用までお気軽にご相談ください。 ご相談内容によっては直接回答することができない場合がございます。必要に応じて他の機関をご紹介しますので、「どこに相談をすればよいかわからない」場合でもご相談ください。尚、品評についてはご回答出来かねますのでご了承願います。

会場アクセス

お問合せ

愛知県障害者芸術活動参加促進事業実行委員会事務局
(愛知県障害福祉課内)

〒460-8501 名古屋市中区三の丸三丁目1番2号

Tel:052-954-6697
Fax:052-954-6920
E-mail:powerofart@pref.aichi.lg.jp

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