設立の趣旨

近年、アートNPOに対する関心が高まりつつあります。それは自己目的化した「芸術の為の芸術」の主張が、アートの自立化ではなく衰退の危機へと展開したことにあります。またグローバル化するアートの現状への危機意識への高まりにもあります。
元々、経済活動からは程遠いように思われてきたアートの世界。1970年代の「地方の時代」から80年代の「文化の時代」への流れを生み、美術館建設ラッシュに至り、「箱もの行政」への反省もままならぬ間に90年代のデジタル技術の導入に伴う情報化革命に翻弄される。21世紀にはバーチャルな世界へ突入する。その中で大衆民主主義に迎合するフィギュア・アートの出現は消費社会への警鐘に見えました。また文化的成熟度と共に文化産業の発展や、それに関わるアートマネジメントの発生は、芸術と社会を結ぶ新しい仕組みとしての「アートNPO」の登場を必要としたとい言えます。
今後 の日本のアートにおいて大切なことは、市民社会の中でアートの位置付けをする事です。自発性や創意が尊重、支援される社会。市民の公共概念と主体性が文化協働作業を通して育成、実現していく社会。多様な立場の人々が理解し、助け合い、連帯する社会を築くことを私たちは目指しています。こうした社会の実現に向けて、創造的な多様な課題に取り組む市民活動に出会い、その重要さとそれを支える仕組みが必要だと考えました。
そこで、アートやデザインを通して芸術文化活動が発展するために学び合い、アーチストやデザイナーの多様な主体の対話、協働の促進、経験交流などが地域でのコミュニティとして役立つと考えます。まさに福祉の現場でのライフレヴューアート(回想法アート)の導入を始め、アール・ブリュツトやボーダレスアートの登場は新しい活動として市民社会で受け入れられています。
私たちは企画、支援、調査研究、情報提供、ネットワーク化等の活動を行うことで特定非営利活動法人アート・コレクティブを設立しました。
これからも地域での活動支援に力を注ぎたいと考えています。ご支援・ご協力をよろしくお願いします。

NPO法人 愛知アート・コレクティブ
代表 鈴木敏春

設立の経緯

1990
名古屋市文化振興事業団・企画展「無冠の表現回路・エコロジーアート」企画。環境問題をアートとして提案。TV、マスコミ各紙に取り上げられる。

1995~
東三河で野外美術展を企画。東三河各地の山や川や海で開催。

2001
東海大水害のあった西春日井郡新川町で「新川かべぬり絵本」の壁画制作、住民・市民参加型のプロジェクトを行なう。TV、マスコミ各紙に取り上げられる。

2002
こうした交流や研究活動からの教訓として、アート・デザインを市民活動として支援し、発展させるためにはこれらの課題や取り組みを結合し、且つ継続的で安定した運営体制を持つ組織が必要だと考えました。
この趣旨に賛同する者を中心に、さらに県内の美術大学の先生方の支援を受けて『愛知アート・コレクティブ』を2002年12月8日に結成しました。

役員一覧

理事 鈴木 敏春(武谷)_SUZUKI Toshiharu
美術批評, 印刷文化論、70-78年 「8号室」運営、90年美術雑誌「美術手帖」展評、地域雑誌「C&D」、地域応援誌「そう」美術批評連載。03-07年(財)名古屋市文化振興事業団運営委員

理事 源 安孝_MINAMOTO Yasutaka
イラストレーター, 日本デザイナー芸術学院講師, みなもとやすたかイラストオフィス主宰

監事 加藤 慶_KATOU Kei

理事 大竹 真知英_OTAKE Machie

監事 山下 幸司_YAMASHITA Koji

理事 武谷 直子_TAKEYA Naoko

※役員、会員の皆様へ
個人の紹介pageを希望される方は、NPO法人 愛知アート・コレクティブまでご連絡下さい。

活動内容

1. 障害者芸術活動支援相談
障害のある方の芸術文化活動に関するご相談

2. 展覧会支援
障害者アートの発表支援活動

3. 回想法アートの推進
一人一人の人生を振り返る個人ミュージアムの制作

4. アートツアー
毎月1回のペースで美術館・画廊・野外展などを回るツアー

これらの活動を支える福祉施設のソーシャルアートワーカーの育成を目指します。